甘い体温②・前編・


「悪いな。今はちょっと説明してる余裕はないんだ」



けれど、そんな静香さんに対して陽生は少し低めの声でそう言った。


どことなく重みのある声で…



「正直、俺もどう説明したらいいかまだうまく整理がついてない状況でね」


「……整理?」



静香さんがさらに険しい顔をする。


陽生は表情を変えないまま、「ああ」と一言だけ告げて。



「近いうち、またちゃんと説明するから、今日のところはこのまま帰らせてもらうよ」



少し戸惑いのあるトーンだった。


そう言って、また真剣な顔をした陽生に静香さんが黙り込んでしまう。


そのまま2人とも沈黙してしまい、妙な空気感が広がっていた。




……えっ。


て言うか何?


目の前の2人、いや陽生を見つめながら首を傾ける私。


いったいどうしちゃったの?


不自然な陽生の態度にただ瞬きを繰り返すしかできない。


呆気にろられていると、すぐに静香さんからあっさりとした声が返ってきた。