「悪いな。今はちょっと説明してる余裕はないんだ」
けれど、そんな静香さんに対して陽生は少し低めの声でそう言った。
どことなく重みのある声で…
「正直、俺もどう説明したらいいかまだうまく整理がついてない状況でね」
「……整理?」
静香さんがさらに険しい顔をする。
陽生は表情を変えないまま、「ああ」と一言だけ告げて。
「近いうち、またちゃんと説明するから、今日のところはこのまま帰らせてもらうよ」
少し戸惑いのあるトーンだった。
そう言って、また真剣な顔をした陽生に静香さんが黙り込んでしまう。
そのまま2人とも沈黙してしまい、妙な空気感が広がっていた。
……えっ。
て言うか何?
目の前の2人、いや陽生を見つめながら首を傾ける私。
いったいどうしちゃったの?
不自然な陽生の態度にただ瞬きを繰り返すしかできない。
呆気にろられていると、すぐに静香さんからあっさりとした声が返ってきた。



