「今からちょっと行きたいところがあるんでね」
その声に、私も静香さんもドアの方に視線を向ける。
見ると、ちょうどドアに寄りかかるようにして陽生が私達を見ていた。
「えっ、……陽生?」
「果歩、気分はどうだ?ぐっすり寝れたか?」
少し真顔気味の陽生の表情。
目が合うなり、こっちへ歩みよって来る陽生に私の視線はそこに集中して。
「あ、うん…」
戸惑いながら返事をする。
思わず瞬きをすると、陽生は優しく目を細めて私の頭に手を置いた。
「今から少し出かけるぞ。すぐに支度しろ」
「…へっ?」
すでに手には車の鍵を持っている。
静香さんと同様白衣も着ておらず、上下スーツ姿の格好。
言葉通り、今すぐにでもここから出れる状態だった。
「えっ、ちょ、ちょっと陽生、急に何よ!行くって何なの!?」
そんな中、すかさず声を上げたのは静香さんだった。
椅子から立ち上がるなり、陽生と向き合い怪訝な顔を向ける。



