甘い体温②・前編・


「今からちょっと行きたいところがあるんでね」



その声に、私も静香さんもドアの方に視線を向ける。


見ると、ちょうどドアに寄りかかるようにして陽生が私達を見ていた。



「えっ、……陽生?」


「果歩、気分はどうだ?ぐっすり寝れたか?」



少し真顔気味の陽生の表情。


目が合うなり、こっちへ歩みよって来る陽生に私の視線はそこに集中して。



「あ、うん…」



戸惑いながら返事をする。


思わず瞬きをすると、陽生は優しく目を細めて私の頭に手を置いた。



「今から少し出かけるぞ。すぐに支度しろ」


「…へっ?」



すでに手には車の鍵を持っている。


静香さんと同様白衣も着ておらず、上下スーツ姿の格好。


言葉通り、今すぐにでもここから出れる状態だった。



「えっ、ちょ、ちょっと陽生、急に何よ!行くって何なの!?」



そんな中、すかさず声を上げたのは静香さんだった。


椅子から立ち上がるなり、陽生と向き合い怪訝な顔を向ける。