「えっ、やだ。果歩ちゃんどうしたの?ひょっとして…焼き肉じゃ嫌だった?」
そんな私を見て、静香さんが少し慌てたように声を上げた。
もし、私にお姉ちゃんがいたらこんな感じなんだろうか?
ずうずしくもそんなことを思ってしまった。
ううん。できるならこんなお姉ちゃんが欲しかったな。
思わず泣き笑いを浮かべながら、私は静香さんに向けて顔を横に振った。
「違うんです…なんか嬉しくて」
「えっ?」
そ…だよね。
静香さんの言う通りかも。
ここはパァーっと美味しいものでも食べて気分転換しなきゃだね。
うん。そうだよ、そう。
「じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」
私はさりげなく涙を拭いた。
気を取り直し、行く気満々でベッドから立ちあがろうとしたのに……
「悪いけど、今回俺らはパスだ」
突然横から陽生の声が聞こえ、私はピタッと動きを止めた。
「焼き肉は行かない。また今度にしてくれないか」
「……えっ?」



