「おはよう。よく寝れた?」



私を見るなりニッコリと微笑んだ静香さん。


ベッドの隣にあるパイプ椅子に腰かけると、何故か私の目の前にペットボトルのミネラルウォーターを差しだした。



「はい。これ、喉乾かわいたでしょ」



そう言われ、慌てて私は上半身を起しそれを両手で受け取った。


冷蔵庫から取り出したばかりなのか、それはひんやりとしてとても冷たかった。



「…ありがとうございます」


「いいえ。どう?ぐっすり寝れた?だいぶスッキリした顔してるけど」



静香さんが顔を傾けながら聞いてくる。


私はすぐに頷き、目の前の瞳にさりげなく笑って見せた。



「仕事、終わったんですか?」



静香さんはもうすでに白衣は着ておらず、ラフな格好になっていた。


とはいっても下は清楚なタイトスカート、上は綺麗目なブラウスを身にまとった大人っぽい格好だ。



「うん。今さっきね。陽生ももう少ししたらここに来ると思うわよ」



クスッと笑った静香さん。


ふと、窓の外を見れば、さっきまで雨だったことなんてまるで嘘のように星がちらほらと顔を出していた。