「本当バカみたいだよね」
私はごろんと寝がえりを打つと、隣で眠るブラウンに話しかけた。
起きたらすでに夜だった。
…時刻は夜の8時過ぎ。
見慣れない景色に最初はん?と、違和感を感じた私だったけれど。
でも、ここが病院だということに気づくのには時間はかからなかった。
「なんか、久しぶりにぐっすりと寝れたような気がするな」
そして、夢に見た懐かしい記憶。
あれってまだ私が施設に入る前のことだったっけ?
記憶をたどりながらまた仰向けになってみる。
「今更あんな夢見るなんてどうかしてるよね」
急に思い出したせいか胸がギュッとざわついていた。
何となく起き上る気が持てなくて、そっと目を閉じかけた時、
「果歩ちゃん、起きてる?」
扉が開いて静香さんが入って来た。



