どこか弱々しく眉をさげた岩瀬早苗が膝の上でギュッと自分の手を握る。
「いえ、気にしないでください、実際その通りですから…」
まるで昔を悔やむようなその表情。
複雑そうに揺れ動く眼差し。
いったい、今どんな思いでここにいるのか。
実際、彼女の今の気持ちなんか俺が分かるはずはないけれど。
でも、月日が経てば人はそれなりに変わっていく。
果歩と別れたこの5、6年の間に彼女なりに成長し、少しはまるくなったってことなのだろうか?
彼女なりに自分がしてきた過去を反省してるのかもしれない。
けど、かといって、彼女が果歩にしてきた過去の過ちが決して許される訳はないけれど…
「で、今日は俺に何か話したいことがあったんじゃないんですか?」
少し低めの声を向けた。
「だからここに来たんですよね?」
唯一、果歩と繋がりのある俺を求めて…



