そしてこの間。
このなんとも言えない独特の間の取り方とかも、不意に果歩を思わせずにはいられなくなる。
「えっ、何ですか?」
「いや、すみません」
無意識に口元が緩んでいたのに気づく。
果歩のことになるとどうも自分でも気付かないうちに感情が表に出るらしい。
いかん、いかん。
そんな俺を不思議そうに見る彼女。
俺は気を取り直す様に息を吐くと、おもむろにまた口を開き言葉を告げた。
「いえ、何て言うか、果歩から聞いてた感じとだいぶ雰囲気が違うんだなと思いまして」
実際こうして会ってみると想像していた人物とかけ離れて違うように思う。
なんかこう…
「失礼な話し、もっときつい方なのかと思ってたので」
「えっ?」
「いや、すみません」
少し直球すぎたか。
俺がそう言うと、岩瀬早苗は少し困ったように俺を見た。
その表情もきついと言うよりはむしろ柔らかく、儚いって感じにさえ思えるほどだ。



