「それで俺に会いに?」
「はい…。でもどうしてそんな…その、いつからなんですか?」
今度は岩瀬早苗の方から俺に質問をかけてきた。
正直半信半疑と言った感じ。
そりゃあ、無理もないか。
自分の娘と、一回りも離れた男が一つ屋根の下って。
驚くのは当たり前。
普通に考えて接点なんてどこにもないんだから…
「一緒に暮らし始めてもう2年になります」
「えっ、そんなに前から、ですか?」
「はい」
「そ…ですか…」
岩瀬早苗が言葉を濁らせ目を伏せる。
相変わらず目の前のコーヒーには手を付けず、何かを考えるように一点を見つめたまま。
少し、きつそうに見えるくっきり二重の瞳。
気まずそうに髪を耳にかける仕草。
その、さりげない仕草が一瞬どことなく果歩とダブって見えて。
やっぱり親子なんだと実感させられる。



