甘い体温②・前編・


「それで俺に会いに?」


「はい…。でもどうしてそんな…その、いつからなんですか?」



今度は岩瀬早苗の方から俺に質問をかけてきた。


正直半信半疑と言った感じ。


そりゃあ、無理もないか。


自分の娘と、一回りも離れた男が一つ屋根の下って。


驚くのは当たり前。


普通に考えて接点なんてどこにもないんだから…



「一緒に暮らし始めてもう2年になります」


「えっ、そんなに前から、ですか?」


「はい」


「そ…ですか…」



岩瀬早苗が言葉を濁らせ目を伏せる。


相変わらず目の前のコーヒーには手を付けず、何かを考えるように一点を見つめたまま。



少し、きつそうに見えるくっきり二重の瞳。


気まずそうに髪を耳にかける仕草。


その、さりげない仕草が一瞬どことなく果歩とダブって見えて。


やっぱり親子なんだと実感させられる。