「……果歩?」
背を向けた私にすかさず陽生の声が飛んでくる。
「お前…さっきから何怒ってるんだよ……。
沙希のことなら…悪かったよ。あいつには俺がちゃんと後で強く言っとくから、嫌な思いさせて悪かった」
「……」
「だからさ果歩ちゃん。機嫌直せって、むくれてないでこっち向けよ」
立ちあがった陽生が後ろから近づいてくる。
そのまま手が伸びてきて、すかさずぎゅっと抱きしめられた。
「なぁ、果歩?」
耳元に優しくキスされて、ビクッと体が強張る。
慌てて腕を振りほどこうとしても、ドクドクと、背中に密着した陽生の素肌に緊張が高まって、思うように力が入らない。
何も言えず、俯いたまましかできなくて……



