甘い体温②・前編・


「……果歩?」


背を向けた私にすかさず陽生の声が飛んでくる。



「お前…さっきから何怒ってるんだよ……。

沙希のことなら…悪かったよ。あいつには俺がちゃんと後で強く言っとくから、嫌な思いさせて悪かった」


「……」


「だからさ果歩ちゃん。機嫌直せって、むくれてないでこっち向けよ」



立ちあがった陽生が後ろから近づいてくる。


そのまま手が伸びてきて、すかさずぎゅっと抱きしめられた。



「なぁ、果歩?」



耳元に優しくキスされて、ビクッと体が強張る。


慌てて腕を振りほどこうとしても、ドクドクと、背中に密着した陽生の素肌に緊張が高まって、思うように力が入らない。


何も言えず、俯いたまましかできなくて……