甘い体温②・前編・


(対面ーsaide 陽生ー)



――…ガチャ。



「あれ、寝ちゃったの?」


それから少しして、昼休憩から帰るなり静香が仮眠室の扉を開けた。


右手にはケーキの箱をぶら下げて、俺を見た後ベッドに眠る果歩の姿を覗きこむ。



「あら、可愛い寝顔」



果歩の髪を一撫でしながら静香が優しく目を細める。



「このまま家に連れて帰っちゃいたいぐらいだわ」


「だめ」


「なによ、ケチ」


「さっき寝たところだからそのまま寝かしといてやって」


「あら、そう」


「最近あんまり寝れてなかったみたいだから」



さりげなくネクタイを締め直し、視線を静香に向けると少し切ない顔を返された。



「そっか…。だいぶ疲れてるみたいね、果歩ちゃん」


「ああ…」