甘い体温②・前編・


ジワリ、また目に浮かんだ涙を拭こうとしたら、その手は掴まれグイっと抱きしめられた。



「ったく…すーぐ泣くんだから、果歩ちゃんは」



私の頭を撫でながら陽生が優しく笑う。


その温かさに、余計涙腺が壊れてしまったのはもう言うまでもなくて。



「だって…陽生が優しすぎるんだもん」



後、静香さんも…


2人とも優しすぎるんだもん。


あれからずぶぬれの私を見て、すぐに着替えを買ってきてくた静香さん。


何も聞かず、「大丈夫よ」って笑って頭を撫でてくれたんだ。


それがすごく温かくて。


本当に本当に嬉しくて。


何も言葉にならなかったんだ。



「どうして…そんなに優しくしてくれるの?」



と、思わず聞きそうになったけれど。


きっとそんなこと聞くのは野暮だ。


聞いたところで「今更そんなこと聞くか?」なんて呆れた声が返ってきそうだったから、あえてグッと口をつぐんだ。