ジワリ、また目に浮かんだ涙を拭こうとしたら、その手は掴まれグイっと抱きしめられた。
「ったく…すーぐ泣くんだから、果歩ちゃんは」
私の頭を撫でながら陽生が優しく笑う。
その温かさに、余計涙腺が壊れてしまったのはもう言うまでもなくて。
「だって…陽生が優しすぎるんだもん」
後、静香さんも…
2人とも優しすぎるんだもん。
あれからずぶぬれの私を見て、すぐに着替えを買ってきてくた静香さん。
何も聞かず、「大丈夫よ」って笑って頭を撫でてくれたんだ。
それがすごく温かくて。
本当に本当に嬉しくて。
何も言葉にならなかったんだ。
「どうして…そんなに優しくしてくれるの?」
と、思わず聞きそうになったけれど。
きっとそんなこと聞くのは野暮だ。
聞いたところで「今更そんなこと聞くか?」なんて呆れた声が返ってきそうだったから、あえてグッと口をつぐんだ。



