一度もしてくれなかったのに…


私がどんなに望んだって、どんなに頑張ったって見せてはくれなかったのに!


どんなに願って手を伸ばしても、その手は受け入れてはもらえなかったのに!


なのに、何であの子の手はすんなりと受け入れられるの!?



「っ…こんなのあんまりだよっ」



いったい私が何をしたって言うのだろう。


何がいけなかったの?


あの子と私とでは何が違うって言うの!



「ねぇ、どうしてっ!」


「果歩っ…」



感情が勢いよく壊れていくのが分かる。


もう、限界だよ…


嫉妬でおかしくなりそうだ。



「っ…苦しいよ……」



会いたくなかった。


こんなかたちで会いたくなんかなかったよっ!



もう、何もかもが歪んで見える――…