とても微笑ましい家族の温かい光景。
それはどこから見てもまるで絵にかいたような幸せそうな家族の象徴で。
……ガシャンッ!
なによ…これ。
体が小刻みに震えだす。
バクバクとあり得ない早さで音を立てる私の心臓。
気付いたら、買ったばかりの袋が手からスルリと地面に落ち、私の周りに大きな音が広がっていた。
「えっ、お姉……ちゃん?」
そんな私にいち早く気付いたのが優だった。
まるで、魂が抜け落ちたみたいに立ちつく私を目をパチクリさせて見つめている。
「あっ……果歩……」
そして聞こえた女の声。
ドクンと、運命の歯車が一気に壊れていくのを感じとった。



