―――…えっ、優?
今、優って言った?
驚いて恐る恐る横を見ると………ビクッ!
その先にいたのは見覚えのある親子の後姿。
「ったく、しょうがないわねぇ…少しだけよ」
「はーい」
うそっ…
なんで…
何でこんな所に?
目を見開いたまま私は動きを止める。
そこには紛れもなくあの子と、あの母親の姿があって。
すぐ横にいる私に気づくことなく楽しそうにブラウンに目を向けている。
………どうして?
背中につーっと冷たい汗が流れていく感覚。
まるで、2人のところだけスポットライトが当たってるかのように鮮明に視界の中に入ってくる。



