甘い体温②・前編・


エレベーターを下り、外に出ると、うっすら空に雨雲が広がっていた。



「あれ、今日って天気予報雨って言ってたっけ?」



私は足を止め、空を見上げる。



やだな…


この様子だと近いうちに降ってきそうかも。


せっかく気分転換しようと思ったのに、これじゃああまり遠くまで行けなさそうだ。



「どうする?ブラウン」



クリクリの瞳を見つめながら1人呟いてみる。


しかも雨って苦手なんだよね。


いつもそうだった。


雨の時ってあまりいいことがあったためしがない。


まぁ、そんなの偶然にすぎないんだろうけど…



「行く?」


「ワンッ」



元気よく尻尾を振ったブラウンに負けて結局近場のコンビニまで行くことにした。


相変わらずブラウンには甘い私…


最近忙しくてあんまり構ってあげてなかったし、少しぐらいならまだ大丈夫だよね。