甘い体温②・前編・


………えっ?



不意打ちの深いキスに、ドクンと大きく鼓動が跳ねる。


座ったまま腰を引き寄せられて、体制が崩れそうになって。


「ん……」


たまらずギュッと腕を掴むと、陽生が満足そうに顔を上げた。



「そういや、まだおはようのキスしてなかったよな」


「えっ?」


「思わず忘れるところだった」



そう言って、クスリ笑った陽生がもう一度軽くキスをする。



「分かった。果歩のお望み通り、今日はなるべく早く帰ってくるから」


「へっ?」


「可愛い彼女の頼みを俺が聞かないわけないだろ?」


「えっ、でも……」


「なんか最近のお前すげー可愛い」



そのままおでこにもキスされて、私は目を開いたまま動くことがでない。



「うざく…ないの?」



こう言うのって、普通うざいとか思わないの?


なんかいちいち干渉してるみたいで…


嫌でしょ?