甘い体温②・前編・


「なるべく早く帰ってきて」



止められない…


無性に甘えたくてたまらないんだ。



「果歩…」



でも…



「あ、ごめん…」



何言ってんだろう私…


目を見開いた陽生に私は慌てて掴んだ手を離す。


別にこんなこと言うつもりなんてなかったのに…


ついこの前の夜だって一人にしないで、だなんて我がまま言ちゃったばかりだし。


本当、どうかしてる…


あの日以来自分の感情がうまくコントロールできない。


別に陽生を困らせるつもりなんてこれっぽっちだってないのに…



「ごめん今のなし、気にしないで!」



やっぱりこんなの私らしくない。


思わず立ち上がろうとした瞬間、グイっと後頭部を引き寄せられてキスされた。