「なるべく早く帰ってきて」
止められない…
無性に甘えたくてたまらないんだ。
「果歩…」
でも…
「あ、ごめん…」
何言ってんだろう私…
目を見開いた陽生に私は慌てて掴んだ手を離す。
別にこんなこと言うつもりなんてなかったのに…
ついこの前の夜だって一人にしないで、だなんて我がまま言ちゃったばかりだし。
本当、どうかしてる…
あの日以来自分の感情がうまくコントロールできない。
別に陽生を困らせるつもりなんてこれっぽっちだってないのに…
「ごめん今のなし、気にしないで!」
やっぱりこんなの私らしくない。
思わず立ち上がろうとした瞬間、グイっと後頭部を引き寄せられてキスされた。



