甘い体温②・前編・


そのまま2人してベッドに横になると、すぐに規則正しい呼吸が聞こえてきた。


俺は背中を撫でるのをやめ、そっと果歩の額にキスを落とす。



「はる…ごめ……」



同じタイミングで聞こえてきた果歩の声。


いったい、今何を思って俺の腕の中にいるんだよ。


どんだけの不安を抱えて泣いてんの?


この、小さな背中の奥で…



「なぁ、果歩…」



もっと俺に頼れよ…


もっともっと、何もかも俺にぶつけてくれればいいのに…


大丈夫、なんて俺の前ではそんな平気なふりなんかしなくていいんだよ。


俺にはいつだって本音でぶつかってきてくれればいいんだから…



もう、限界かもしれないな…


静香が言ってたとおり、もうすぐそこまで限界はきてるのかもしれない。




「果歩……」



俺は唇にも触れるだけのキスをすると、今にも壊れそうな背中を強く強く



抱きしめた。