「おかえりなさい…」
「ああ、ただいま」
それから少しの間ソファーの上で抱きしめ合っていた俺達。
次第に、果歩の呼吸が落ち着いていくのが分かる。
俺は右手をそっと後頭部に回すと、柔らかく何度も撫でた。
「遅くなって悪かったな。寂しかった?」
「ん、少し……」
少し甘えた声が耳元にかかる。
今日はやけに素直なんだな…
フッと、思わず口元を緩みそうになったけれど、あえてそれをこらえながら頭をポンポンと叩いた。
「怖い夢でも見たか?」
「え?」
「すごくうなされてたぞ」
きっと果歩自身も自分が毎晩うなされていることはちゃんと気付いているんだろう。
その証拠にまた、体を強張らせた果歩の体温がほのかに…熱い。



