ちっ、始まったか… この光景をもう何度こうして見てきただろう。 毎晩のように繰り返される果歩の苦しみ。 できるならこんな光景なんか当たり前になってほしくない。 こんな辛そうな悪夢なんて… 俺は上半身を持ち上げ、果歩の顔を軽く叩いた。 「果歩、大丈夫か、しっかりしろ」 痛々しくて見てらんねぇ。 なんとかして助けてやりたい。 この手で。 この俺が… 「ん……陽…生?」 辛そうに瞼を開けた果歩とゆっくり視線が絡み合う。 ギシッと胸が張り裂けそうだ。