甘い体温②・前編・


ま、そうなったらそうなったまでか。


その時は俺が責任もって治してやるまでだけど…



「しゃーない。ベッドまで運ぶか」



俺はクスリ笑い、果歩の体に手を伸ばす。


最近じゃあ、この行動も俺の日課となりつつあった。


ここのところあまり寝れてなかったみたいだし、このままゆっくり寝かしといてやろう。


そう思いながら、そっと体を持ち上げようとした時、



「ん…」



突然目の前の顔が歪み、苦しそうに息を吐いた。



「や…行かない……で」



スッと零れ落ちた涙。


乱れていく呼吸。


ギュッと腕を掴まれて、俺は思いっきり眉間に皺を寄せた。