甘い体温②・前編・


相変わらずこの場所が好きなんだな…


気付くたび、いつもお決まりのようにここで寝ている果歩。


最近じゃこんな光景は当たり前になっていて。


そんなにここが好きなのか?



「いや…違うか」



俺は少し屈み、果歩の頭をそっと撫でる。



『だって、ここのベッド広すぎて一人で寝るの落ちつかないんだもん』



確か、少し前にそう言われたっけ。

むしろ、一人ならソファーの方が落ち着くって…



「ったく…しょうがねぇーな…」



少し複雑な半面、こうやって何気に可愛いことされると自然と顔が緩んでしまう。


それってつまり、俺と一緒じゃなきゃ嫌だって言ってるようなもんだもんな。


柔らかい髪に指を絡ませながら目を細める。



でもせめて、タオルケットぐらい上に羽織ってくれれば何も言うことはねーんだけど。


また、風邪ぶり返しても知らねーぞ。