相変わらずこの場所が好きなんだな…
気付くたび、いつもお決まりのようにここで寝ている果歩。
最近じゃこんな光景は当たり前になっていて。
そんなにここが好きなのか?
「いや…違うか」
俺は少し屈み、果歩の頭をそっと撫でる。
『だって、ここのベッド広すぎて一人で寝るの落ちつかないんだもん』
確か、少し前にそう言われたっけ。
むしろ、一人ならソファーの方が落ち着くって…
「ったく…しょうがねぇーな…」
少し複雑な半面、こうやって何気に可愛いことされると自然と顔が緩んでしまう。
それってつまり、俺と一緒じゃなきゃ嫌だって言ってるようなもんだもんな。
柔らかい髪に指を絡ませながら目を細める。
でもせめて、タオルケットぐらい上に羽織ってくれれば何も言うことはねーんだけど。
また、風邪ぶり返しても知らねーぞ。



