甘い体温②・前編・


「そう、ならいいけど…」



俺の反応に、静香がホッとしたように顔を緩め、白衣のポケットに手を突っ込む。



「ま、何か困ったことがあればいつでも言いなさいよ。こう見えてけっこう真剣に心配してるんだから…」


「ああ、遠慮なく」



本当、実の姉ながら頼もしい限りだな。


俺としてもどっと気が楽になるってもんだ。



「また、気分転換に果歩を買い物にでも連れてってやって」



果歩も大分静香に懐いてきてるみたいだし、いい気分転換になるだろう。


それで気持ちが軽くなってくれるんならそれでいい。


果歩の不安が少しでも楽になってくれるなら、俺も安心できるから…