「あいつに……果歩に何か少しでも変わったことがあったらすぐに俺に連絡して」
正直、今は気が気じゃなかった。
ついこの前もあんなふうに突然倒れたばっかりだし。
こんな状態のままだと、またいつ倒れてもおかしくないと思うから。
「えっ、でも……」
「悪いけど、俺が傍にいない間未来ちゃんの見れる範囲でいいから、少し果歩のこと注意深く見ててやって」
本当は、できるなら俺が1日中あいつの傍にいてやりたい。
けど、さすがにそう言う訳にもいかないだろ?
まさか、仕事を休んであいつにずっとついて回るわけにもいかないし。
「少し迷惑かけちゃうけど、ここは未来ちゃんを見込んで、頼めるかな?」
こればっかりは俺もどうしようもない。
こうして頼む以外他に…
俺は戸惑う彼女の手に名刺をギュッと握らせ、もう一度大きく頷いた。
「私で…いいんですか?」
「もちろん」
彼女なら果歩も心を許してるみたいだし、まず安心して大丈夫だろう。



