それが凶と出るか、吉と出るか、どっちにしろ果歩にとっては辛い選択になるのかもしれないけれど……
「ちなみに果歩、あいつちゃんとお昼とか食べてる?」
それからあっという間に時間は過ぎ、帰り際。
俺はカウンセリング室の扉に手を伸ばす未来ちゃんの背中に思わず声を向けていた。
まぁ、これも返ってくる答えはだいたい予想はつくけれど…
「いえ、それがあんまり食欲がないみたいで…」
振り返った彼女が気まずそうに俺を見る。
「…そうか……」
……やっぱりな。
予想通りの答えに俺は少しだけ苦笑いを浮かべ。
「未来ちゃん、これ」
「えっ?」
俺は胸ポケットから1枚の名刺を取り出すと、それを目の前の彼女に差し出した。
「これ、俺の連絡先。携帯の番号書いてあるから」
「えっ、……携帯?」
首を傾けた彼女に俺は少し笑って頷いた。



