そうだ、私……
そう思った瞬間、パァっと診察室での出来事が脳裏に浮かんだ。
何故か、今の今まで記憶の中から消えかけてたけれど……
私…
私…
『お姉、ちゃん?』
『果、歩?』
まさか、あんな形で再会するなんて思ってもみなかった。
こんな現実が待ってるだなんて、
よりにもよって、
優と、あの女が親子だったなんて――…
「ん?……果歩ちゃん?」
突然顔を曇らせた私に、静香さんが心配そうに覗きこむ。
私は俯きながら首を横に振っていた。
本当、ふざけてる。
まるで安っぽい昼ドラの世界。
こんな現実が本当にあるんだね。
バカバカしくて逆に笑えてしまう。



