甘い体温②・前編・


「いえ…あまり……」


正直そういう複雑な病気の種類とかさっぱり分からない。


おたふくとか、麻疹とか、そういう一般的なことぐらいなら分かるけど…



「そうね、これは若い女性に多くみられたりする急性の発作なんだけど、

ほら、今日の果歩ちゃんみたいにめまい、頭痛、手足のしびれ、後、呼吸困難とかね。

あ、かと言って別によっぽど命に関わることはないのよ。でもね、ただ…」


「…ただ?」



少し眉を下げた静香さんがそっと私の肩を抱き寄せた。



「これはね、精神的な部分からくるところが強いから…」


「……え?」



………精神的?



「今日みたいに突然心に大きな衝撃やストレスがかかると、また、同じようなことが起こるかもしれない」


「……スト、レス?」


「そう。一度なるとまた同じように繰り返す場合もあるから、少し注意した方がいいかもしれないわね」



ギュッと腕に力を込める静香さん。


あやす様に肩を撫でられて、私はハッとした。