「いえ…あまり……」
正直そういう複雑な病気の種類とかさっぱり分からない。
おたふくとか、麻疹とか、そういう一般的なことぐらいなら分かるけど…
「そうね、これは若い女性に多くみられたりする急性の発作なんだけど、
ほら、今日の果歩ちゃんみたいにめまい、頭痛、手足のしびれ、後、呼吸困難とかね。
あ、かと言って別によっぽど命に関わることはないのよ。でもね、ただ…」
「…ただ?」
少し眉を下げた静香さんがそっと私の肩を抱き寄せた。
「これはね、精神的な部分からくるところが強いから…」
「……え?」
………精神的?
「今日みたいに突然心に大きな衝撃やストレスがかかると、また、同じようなことが起こるかもしれない」
「……スト、レス?」
「そう。一度なるとまた同じように繰り返す場合もあるから、少し注意した方がいいかもしれないわね」
ギュッと腕に力を込める静香さん。
あやす様に肩を撫でられて、私はハッとした。



