甘い体温②・前編・


「ただでさえ果歩ちゃんが倒れた時、ものすごぐ死にそうな顔してたのよ」


「えっ?」


「それはもう見てて面白かったわよ」


「おいっ」



くすくす笑う静香さんに、陽生が恥かしそうに言葉をとばす。


それを見てまた大笑いする静香さん。


本当、仲がいいんだか悪いんだか。


そんな2人に挟まれて、私は肩をすくめずにはいられなかった。



「クスッ。でも本当、大丈夫だから安心してね」


「えっ…でも……」



あんなに苦しくなったのに?


本当に…何でもないの?



「ちょっとね、過呼吸起こしちゃったみたいなの」


「えっ?……過呼吸?」


「そう、聞いたことない?」



静香さんに優しく見つめられて、思わず首を傾けた。