少し眉を下げた静香さんが私のおでこに手を当てる。
「ん~、熱は大分下がった、かな?どう?気分の方は?」
「あ、はい、今のところは…」
ぐっすり寝たせいかな?随分楽になった気がする。
「そう、ならいいんだけど……。ねぇ、今までこんなふうに苦しくなったことはあった?」
「えっ?」
「急に息ができなくなることは?」
その言葉にハッと顔を上げると、真剣な瞳の静香さんと目が合った。
真っ直ぐ緊迫するような視線。
それは今までとはガラリと変わり、医者モード全開の表情で……
「いえ……こんなのこと初めて、です」
何故か胸がザワザワとした。
急に変な不安に襲われる。
なんとなく言葉が続かなくなって、ギュッとベットのシーツを握り締めた。



