首を傾ける私に静香さんの優しく笑う声。



「クスッ。ここはまだ病院よ」



私の気持ちを察したように綺麗な笑みを浮かべる静香さん。


シュッとした大人の香り。


相変わらず非の打ちどころがない色っぽい表情に、思わずドキリとしてしまう。



「病院…ですか?」


「そうよ。って言ってもここは病院の中にあるちょっとした仮眠室なんだけどね」


「えっ……仮眠室?」



仮眠室…って、


あっ!ひょっとして陽生がこっそり私に言ってた院長室の隣にあるっていう、


あの部屋のこと?


ハッと問いかけるように陽生の方へ視線をやると、すぐに正解。というように頷いてくれた。


そっか。ここがその仮眠室…



「ねぇ、それよりも本当にもう体調の方は大丈夫なの?」


「え?」


「まだ、少し顔色悪いみたいだけど…」