「はーい、ストップ!そこまで」



だけど唇が触れる寸前、ものすごい勢いでパコーンという音が響き、体をビクつかせた。


……えっ。


パコーン??


ハッと見ると、何故か目の前の陽生が顔を歪め、頭を押さえていた。



……へっ?



「ってぇ~~」


「ちょっと陽生、あんた何どさくさに紛れてこんな所でことをおっぱじめようとしてるのよ」


「えっ?」



こ、この声って、


もしかして……



「て言うか、私がいること忘れてさかってんじゃないわよ。ったく、油断も隙もあったもんじゃない」



そう言って、スリッパ片手にヒョッコリ顔を出した人物に私は目をパチクリさせた。


えっ?えっ?



「静香さん!?」