耳元で話し声が聞こえて目を覚ました。
やたらふわふわする感覚の中目を開けると、何故か見知らぬ天井が見えた。
あれ、ここって…
「果歩」
突然呼ばれ、目の前に陽生のどアップが現われる。
ビックリして瞬きをした私は、
「……陽生?」
「俺が、分かるか?」
コクリ頷く。
もう一度声を出そうとした瞬間、すかさずぎゅうっとベッドの上で抱きしめられた。
「は、陽生!?」
「焦った……」
「えっ?」
「マジで心臓止まるかと思った」
陽生が私の首筋に顔を埋める。
さらにきつく抱きしめられて、私は恐る恐る背中に手を回した。