こんな現実酷過ぎるよ!
「…か……ほ?」
聞きたくもない声が呼びながらゆっくり近づいてくる。
戸惑いを浮かべるその表情に、
「やっ!来ないで!」
咄嗟にそう叫び、私はその場にしゃがみ込んだ。
込み上げてくる感情に、胸がギュッと押しつぶされそうだ。
お願い、夢なら早く覚めて!!
震えながら必死にそう言い聞かせてうずくまる。
「お姉ちゃ……」
「果歩!」
すかさず陽生に抱きしめられて、その胸に強くしがみ付いた。
「はる……苦し……」
息が、できない。
尋常じゃないほどの苦しさに、酸素が上手く吸い込めない。
もう、何が何だか分からなかった。



