甘い体温②・前編・


勢いよく立った私は目を見開く。


絡み合う視線に鼓動が震えて、


金縛りにあったようにドクンと、体中に衝撃が駆け巡った。




「あ、ママだ」


「えっ…」



勢いよく解かれた優の手。


満面の笑顔で走って行く後姿が何故かスローモーションのように見えて……





―――…ママ?





私は咄嗟に口元を手で覆う。


嬉しそうに母親に抱きつく優を目で追いながら、顔が青ざめていくのが分かる。




嘘。


嘘でしょ?



ママって……



こんなことって……


こんな偶然ってあるの?