甘い体温②・前編・


ガチャ…



「すみません。こちらにうちの子が来てませんか?」



慌てて飛び込んできた女の人の声。

あ、ひょっとして優の?


すぐにピンときてドアの方を見ると――…




――…えっ?




一瞬、息が止まりそうになった。


その姿を目で捕らえた途端、ものすごい速さで揺れた私の鼓動。



「……え?」



その人物も私を見るなり驚いたように表情を強張らせた。



……な、に?



スッと感じた懐かしい香り。


私を見下ろす真っ直ぐな瞳。



そして、忘れもしないその姿。





………お母……さん?