甘い体温②・前編・


そうと分かれば早く出なきゃ。



「優、ほら行こう。急にいなくなちゃったからママ心配してるよ」


「あ、うん。ママの所行くぅ」


「じゃあね、陽生また後で」



そう言って笑顔で優の手を握り締めた私だったけれど。




ねえ、神様…


どうして人生ってこんなに残酷にできてるんだろう。


どうしてこんなにも皮肉なの?


もう、何一つ悲しい思いは嫌なのに。


何一つ傷つきたくなんかないのに……




「きーて、僕のママねぇ、お姉ちゃんみたいにすごく可愛いんだよ」


「はは。何よそれ」




言いながら急いで立ち上がろうとした瞬間、突然診察室のドアが開いて女の人の声がした。