そうと分かれば早く出なきゃ。
「優、ほら行こう。急にいなくなちゃったからママ心配してるよ」
「あ、うん。ママの所行くぅ」
「じゃあね、陽生また後で」
そう言って笑顔で優の手を握り締めた私だったけれど。
ねえ、神様…
どうして人生ってこんなに残酷にできてるんだろう。
どうしてこんなにも皮肉なの?
もう、何一つ悲しい思いは嫌なのに。
何一つ傷つきたくなんかないのに……
「きーて、僕のママねぇ、お姉ちゃんみたいにすごく可愛いんだよ」
「はは。何よそれ」
言いながら急いで立ち上がろうとした瞬間、突然診察室のドアが開いて女の人の声がした。



