甘い体温②・前編・


「点滴が終わったら院長室で待ってろよ」


「え?」


「今日は一緒に帰ろう。てか、そのまま一人で帰るのは危ないから禁止」



そう言って、小声で顔を近づけた陽生が優しく笑う。


さりげなく頬を撫でられて、ドクンと鼓動が大きく跳ねた。



「院長室の奥にもう一つ軽く仮眠できる部屋があるから、そこで休んで寝てろ。ちゃんと静香にも伝えておくから」


「え、でも……」


「いいから、これは絶対命令だ。絶対一人で帰るなよ、分かったな」



真剣で真っ直ぐな瞳。


強く断言されて、半ば強制的にコクリ、頷くをおえなかった。



「よし、いい子」


「もう…」



相変わらずなんだから。


でも、そう思いつつもやっぱりどこか嬉しかったりして……



クスッ。


不意に笑みが零れていた。