「点滴が終わったら院長室で待ってろよ」
「え?」
「今日は一緒に帰ろう。てか、そのまま一人で帰るのは危ないから禁止」
そう言って、小声で顔を近づけた陽生が優しく笑う。
さりげなく頬を撫でられて、ドクンと鼓動が大きく跳ねた。
「院長室の奥にもう一つ軽く仮眠できる部屋があるから、そこで休んで寝てろ。ちゃんと静香にも伝えておくから」
「え、でも……」
「いいから、これは絶対命令だ。絶対一人で帰るなよ、分かったな」
真剣で真っ直ぐな瞳。
強く断言されて、半ば強制的にコクリ、頷くをおえなかった。
「よし、いい子」
「もう…」
相変わらずなんだから。
でも、そう思いつつもやっぱりどこか嬉しかったりして……
クスッ。
不意に笑みが零れていた。



