「よし、いいぞ」 それから数秒後。 聴診器を耳から離した陽生が清々しい顔でディスクに戻る。 「おもいっきり風邪だな」 クスリ笑いながらカルテにペンをはしらせる陽生。 そんな姿を見つめながら、私はもう疲れ果てたようにグッタリうな垂れていた。 うう…… 結局逃げ切れなかった。 まだ、ドキドキが治まらない。 何で自分がこんなに意識ちゃうのか分からないけれど。 でも、もうこんな気まずい思いはたくさんだ。 どっと疲れが押し寄せる中、 次からは内緒で違う病院にしちゃおう。 本気でそう思った。