甘い体温②・前編・



「よし、いいぞ」



それから数秒後。


聴診器を耳から離した陽生が清々しい顔でディスクに戻る。



「おもいっきり風邪だな」



クスリ笑いながらカルテにペンをはしらせる陽生。


そんな姿を見つめながら、私はもう疲れ果てたようにグッタリうな垂れていた。



うう……


結局逃げ切れなかった。


まだ、ドキドキが治まらない。


何で自分がこんなに意識ちゃうのか分からないけれど。


でも、もうこんな気まずい思いはたくさんだ。


どっと疲れが押し寄せる中、


次からは内緒で違う病院にしちゃおう。


本気でそう思った。