甘い体温②・前編・


「つーか、つべこべ言ってないでさっさっと診察するぞ」



気合いを入れ直した陽生が聴診器をもち直す。


痺れをきらしたようにまた詰め寄って来る。



「あ…ちょっと待っ……」


「大丈夫、お姉ちゃん怖くないよ」



ちょうどタイミングよく声をかけられて、横にいる優に視線を移す。

見ると、診察台の上から優がニッコリガッツポーズ。



「頑張って、すぐ終わるよ」


「………」



顔を引きつらせた瞬間、大きな手にグイっと引き寄せられた。


目の前の瞳が笑い交じりに揺れている。



「くっ、ほらお姉ちゃんもう観念しろ」


「えっ?」


「大丈夫、ちゃんと優しくするから」


「へっ、ちょ………あっ」




万事休す……


私はもう観念したようにぎゅっと手を握りしめた。