甘い体温②・前編・


これならサラッと注射してもらった方のがまだマシだ。


そう思いながらまた少し後ろに下がる。



「どうせなら、ちゃちゃっと注射して済ませてくれればいいから」


「は?何だよそれ…」



あからさまに顔を逸らした私に、まじまじと視線がそそられる。


まさか、私がこんな態度とるなんて思ってもなかったんだろう。


それでも思いっきり拒否する私を見て、



「何も逃げることはないだろ?」



納得がいかないように眉をピクリと上げた。


そして逃げた分だけまたグイっと距離を縮めてくる。



「果歩?」


「いや、なんかつい、いつもの癖で…」


「癖って…」


「だって、変なことしない?」