これならサラッと注射してもらった方のがまだマシだ。
そう思いながらまた少し後ろに下がる。
「どうせなら、ちゃちゃっと注射して済ませてくれればいいから」
「は?何だよそれ…」
あからさまに顔を逸らした私に、まじまじと視線がそそられる。
まさか、私がこんな態度とるなんて思ってもなかったんだろう。
それでも思いっきり拒否する私を見て、
「何も逃げることはないだろ?」
納得がいかないように眉をピクリと上げた。
そして逃げた分だけまたグイっと距離を縮めてくる。
「果歩?」
「いや、なんかつい、いつもの癖で…」
「癖って…」
「だって、変なことしない?」



