甘い体温②・前編・


元気よく診察台にちょこんと座った優を見届けながら、陽生が私の方に視線を戻す。


その顔はガラリと変わり、また仕事モード全開だ。



「熱、今朝より大分上がったみたいだな」


「ん、まぁ……」



怒りが治まらず、そっぽを向いたまま答えた私に陽生がすかさず苦笑い。



「まぁ、そうむくれるなって……ていうか、来るなら来るで連絡ぐらいしろよ…

さっきカルテ見てかなり驚いたんだからな」



呆れながらフッと眉を下げた陽生に今度は私が苦笑い。



「あー…うん、ごめん」


「ま、いいけど…」



もう一度笑った陽生が気を取り直す様に首から聴診器を外す。


それを耳にかけながら、何故かグッと距離を縮めてきて……



「それじゃあ、ちょっとそのままお腹の辺りまで服、捲り上げてもらおうか」


「……えっ」