元気よく診察台にちょこんと座った優を見届けながら、陽生が私の方に視線を戻す。
その顔はガラリと変わり、また仕事モード全開だ。
「熱、今朝より大分上がったみたいだな」
「ん、まぁ……」
怒りが治まらず、そっぽを向いたまま答えた私に陽生がすかさず苦笑い。
「まぁ、そうむくれるなって……ていうか、来るなら来るで連絡ぐらいしろよ…
さっきカルテ見てかなり驚いたんだからな」
呆れながらフッと眉を下げた陽生に今度は私が苦笑い。
「あー…うん、ごめん」
「ま、いいけど…」
もう一度笑った陽生が気を取り直す様に首から聴診器を外す。
それを耳にかけながら、何故かグッと距離を縮めてきて……
「それじゃあ、ちょっとそのままお腹の辺りまで服、捲り上げてもらおうか」
「……えっ」



