甘い体温②・前編・


「はは、分かった分かった。じゃあなるべく痛くならないように先生頑張るよ」



陽生が優の頭をポンポンと撫でる。


それはもう可笑しそうに笑いを堪えながら…



「ちょっと…」



たまらずギロリと陽生を睨みつけると、優が満面の笑みでこっちに向いた。



「だって、よかったねお姉ちゃん」



全然よくないんだけど…



何よ、みんなよってたかって面白がっちゃってさ!


かなり感じ悪いんですけど…


さらに顔を真っ赤にしてふて腐れると、陽生が「さてと…」と姿勢を正した。



「よし、じゃあ、お喋りはここまでな。えっと…優君だっけ?」


「ん、なあに?」


「今からお姉ちゃん診察するから、ちょっとそこの診察台に座って待っててな」


「はーい。お姉ちゃん頑張ってね」