甘い体温②・前編・


驚いた私は慌てて優の口を手で塞いで引き寄せた。



今、何つった?


何て言ったの!?



たまらずかぁ~っと顔を赤らませると、陽生の後ろからプっと笑い声が聞こえた。


見ると、看護婦が可笑しそうに笑いを堪えていて…



「なっ!?」


「くっ…」



そして目の前の陽生の肩も思いっきり小刻みに震えだした。


俯きながら、陽生の前髪が上下に揺れている。



「ちょ、ちがっ!別に私は……」



たまらず抗議しようと声を荒上げるものの、もうすでに後の祭り。


私の声なんか届くはずもなくて、


陽生も看護婦も、お腹を抱えて笑いだしてしまった。




……最悪。