甘い体温②・前編・


「……は?」



真剣な面持ちで見つめてくる優に思わずポカンとした声を出した。


……注射?



「そうなの?」



じっと見つめてくる優の瞳。



怖いって……


あまりに子供らしい発想にどう返事を返したらいいのか、一瞬苦笑いを浮かべそうになったものの。


もう、それすら受け答えする気にもなれなかった。



「あ―…そうかもね」



もう、なんでもいいよ。


怖くてもなんでもいいから、早くこの状況から抜け出したい。


お願いだからそっとしておいて。




そう思いながら崩れるように垂れると、突然優の手が私からスッと離れた。