「……は?」
真剣な面持ちで見つめてくる優に思わずポカンとした声を出した。
……注射?
「そうなの?」
じっと見つめてくる優の瞳。
怖いって……
あまりに子供らしい発想にどう返事を返したらいいのか、一瞬苦笑いを浮かべそうになったものの。
もう、それすら受け答えする気にもなれなかった。
「あ―…そうかもね」
もう、なんでもいいよ。
怖くてもなんでもいいから、早くこの状況から抜け出したい。
お願いだからそっとしておいて。
そう思いながら崩れるように垂れると、突然優の手が私からスッと離れた。
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