「すごく苦しいの?」 優の手が私の背中を撫でる。 小さく、ぎこちなく動く必死な手。 私を一生懸命優しく気遣う姿に、なんとも心くすぶられる感じがしたけれど、 「うん、まあ……」 正直今は素直に癒されてる余裕なんてなかった。 重くなる体に耐えきれず、 目の前にある優のもう片方の手を上から無意識に握りしめると、素早く小さな手が握り返してくれた。 「手、震えてるね…」 「ん…」 「ひょっとして、怖いの?」 「えっ?」 「注射されちゃうかもしれないから?」