甘い体温②・前編・


「すごく苦しいの?」



優の手が私の背中を撫でる。


小さく、ぎこちなく動く必死な手。

私を一生懸命優しく気遣う姿に、なんとも心くすぶられる感じがしたけれど、



「うん、まあ……」



正直今は素直に癒されてる余裕なんてなかった。


重くなる体に耐えきれず、


目の前にある優のもう片方の手を上から無意識に握りしめると、素早く小さな手が握り返してくれた。



「手、震えてるね…」


「ん…」


「ひょっとして、怖いの?」


「えっ?」


「注射されちゃうかもしれないから?」