ま、まずい…
これじゃあ私が苛めてるみたいじゃない。
まるでこっちが悪者扱い!
本気で泣きだしそうな状況に焦り、私は観念したように笑顔を向けた。
「わ、分かった。もう分かったから」
ここはあえて本気にせず、軽く合わせるのが一番だよね。
他人の目もあるし。
とりあえずここは冷静に…
いちいち子供相手にムキになることなんてどこにもないんだから…
「いいよ。友達でも何でもなってあげる。だから泣くのはなしね」
ぎゅっと男の子の手を両手で握りながら笑って見せると、目の前の表情が一気に明るくなった。
「本当?」
「…うん」
「本当に友達になってくれるの!?」
ニッコリ微笑む私。
やったぁ。と嬉しそうにハシャギだした男の子に安堵のため息がこぼれ落ちた。
ま、どうせ、もう二度と会うことなんて…ないしね。



