「ふ~ん。それで今一人で待ってるの?」
「そうだよ」
「家、ここから近いの?」
「うん。あっちの方」
頷いて、後ろの窓の外を指さした男の子に思わず苦笑いがもれたけれど、
それでもとりあえず状況が理解できてホッと肩を撫で落とした。
はぁ…ビックリした。
それなら別にいいんだけどね。
思わずソファーに体を倒し、落ち着きを取り戻そうとしたのもつかの間、またすぐにグイっと手を引っ張られて私は慌てて体を起こした。
「お姉ちゃんって可愛いね」
「…は?」
「僕、お姉ちゃんの顔しゅき」
そう言いって、嬉しそうにまた顔を近づけられる。
目をキラキラ輝かせながら身を乗り出した彼が、ニッコリ笑って私の頬にキスをした。



