甘い体温②・前編・


「ふ~ん。それで今一人で待ってるの?」


「そうだよ」


「家、ここから近いの?」


「うん。あっちの方」



頷いて、後ろの窓の外を指さした男の子に思わず苦笑いがもれたけれど、


それでもとりあえず状況が理解できてホッと肩を撫で落とした。



はぁ…ビックリした。


それなら別にいいんだけどね。



思わずソファーに体を倒し、落ち着きを取り戻そうとしたのもつかの間、またすぐにグイっと手を引っ張られて私は慌てて体を起こした。



「お姉ちゃんって可愛いね」


「…は?」


「僕、お姉ちゃんの顔しゅき」



そう言いって、嬉しそうにまた顔を近づけられる。


目をキラキラ輝かせながら身を乗り出した彼が、ニッコリ笑って私の頬にキスをした。