甘い体温②・前編・


「お姉ちゃん?」



何も答えない私に不安そうな目が向けられる。


その瞳は真剣で、


私はやっぱり何も言えずに、ただ唾を飲むのがやっとだった。




クリっとパッチリ二重の大きな瞳。


長くて綺麗な睫毛。


少し茶色みかかったショートカットのサラサラヘアー。


どれもこれも、一つ一つのパーツがすべて計算されたように整っていて。


まるでテレビから抜け出てきたような可愛らしい男の子。


歳は4、5才っていったところだろうか?


あまりのキュートさに思わず見入ってしまいそうになったけれど、その寸前ではっと正気を取り戻した。



違う、違う!


見とれてる場合じゃない!



この子、ひょっとして迷子?


気をとり直し、一瞬そう思ってみたものの、


ここは病院だ。


こんな所で迷子だなんてまずありえないよね?