甘い体温②・前編・


て言うか、陽生に連絡したほうがいいのかな?


今朝、「体調が悪化するようなら連絡しろよ」って陽生は言ってたけれど…


でもな…



「3時30か…」



腕時計を見ながら考える。


もう午後の診療普通に始まっちゃってるよね?


確か昼からって3時からだって言ってたし。



どうしよう…。


あまり働かない頭で考えてみるものの、やっぱりやめることにした。


さすがに仕事の邪魔しちゃ悪いし、

それに少し面倒くさい。


何も言わずそのまま行っちゃえばいいか。



そう思いながら、マンションまでたどり着いた私は急いで寝室に足を向けた。





「あれ?確か保険証ってここにしまってあったはずだよね」



引出しを上から順に開けながら少し焦る。


こんなことなら常に財布の中に入れとけばよかったよ。


心の中でそう呟きながら次の引出しを開けたその時だった。


目に飛び込んできた茶色い紙に私は思わず手を止めた。