甘い体温②・前編・


「よかったね」


「…あー…うん」



ふわっと向けられる柔らかい笑み。


相変わらず人懐っこい笑顔に何とも言えない気持ちになる。



まぁ、こういう所別に嫌いじゃないんだけどね。


むしろ最近じゃ和むっていうか。


人見知りの激しい私には心強かったりするんだ。


そもそも自分から人との関わり合いを作るのが苦手な私。


それは高校を卒業した今も変わりはなくて。


将来のために、自分でも少しは直さなきゃ…と思いつつ、


長年染み付いた自分の性格を変えるのはやっぱりどうも難しい。


正直、この学校の人達とも上手く接しられてるのか微妙なところなんだよね。



だから、こうして新しい環境に気心知れた相手が一人でも隣にいてくれるとやっぱりすごく安心する。


なんだかんだ言って、頼もしい存在なのかもしれない。






「ありがと…」



一応それだけは告げて、一緒に校門まで向かった。